どのくらいの期間ローマ帝国は最後のですか？

＜バスボイコット＞
１９５５年、黒人のひとりの夫人が白人乗客にバスの席を譲らなかったため、逮捕され有罪になった。このころ、とくに南郡では、黒人は警官になれなかったし、パスに乗るのも白人とは席が別だった。
しかも白人の席がこむと、黒人は自分たちの席も譲らなければならない。
譲らなければ警察に逮捕された。
マーチン・ルーサー・キング牧師の指導のもと、バス・ボイコット運動が始まる。

このころの不当な差別に爆発寸前になっていた黒人たちの怒りは項点に達した。
抗議運動に集まった人のなかには、飛び出しナイフを待つ者、銃を手にする者さえあった。
ガンジーの非暴力闘争に深い共感を抱いていた２６歳のキング牧師は、
彼らに非暴力による整然とした抗議運動を呼びかけた。

黒人がバスで差別されなくなるまで、バスに乗らないで歩く、「バス・ボイコット」である｡
運動が始まると、大勢の黒人たちは朝早く起き、歩いて職場へ通った。
雨の日も風の日も、ｌ年後に勝利を迎えるまで、彼らはただ黙々と歩いた。
歩くのが無埋な人のため黒人タクシーを集めて用意してあった。
キングがある老婦人に、「あなたはもう十分に歩きました。これからは車に乗ってください」といたわると、「足は疲れても、魂は安らぎを感じるんです。私は、私の子や孫のために歩きます」と
婦人はうれしそうに答えた。
一方、バスはガラガラで走らなければならなくなり、市や警察はあらゆる嫌がらせをした。
キングの家に爆弾が投げこまれたり、不当逮捕されたりした。
が、しかし彼らのねばり強い闘いによつて、ついにバスでの差別を撒廃させた。

翌年、合衆国最高裁判所が〃差別は違憲〃と判決。
この勝利は、長年差別に苦しめられてきた南部の黒人たちに計り知れない勇気と希望を与えた。
これが　バス・ボイコットである。

イタリア1943年第二次世界大戦で亡くなった兵士たち

１９５７年、それまで学校も白人黒人別々だったが、
リトルロックの高校で教育委貴会が初めて黒人の入学を許可、９人の黒人学生が入学することになった。ところが州知事が州兵を動員して学校を包囲し、彼らの登校を阻んだ。
校門一削に集まったヤジ馬も「リンチにかけろ」と黒人女生徒に襲いかかった。
奴隷解放宣言から１００年近くたって、まだそんな状態だった。

しかしそんな不正義が、いつまでも続くはずはなかった。
人間としての当然の権利を獲得しようとする黒人が、しだいに増えた。
その人たちに暴力や僧しみの闘争ではなく、人間としての尊厳を保つ非暴力による抵抗を提唱し、先頭に立って闘ったのが、まだ若きマーチン・ルーサー・キング牧師であった。

父も牧師、母方の祖父も牧師という裕福な家庭で育ち、頭の良かった彼は、１５歳という若さでカレッジに入学。さらに神学校、それから北部の白人学生の多いボストン大学の大学院に進学コレッタと結婚したキングは、南部アラバマ州モントゴメリーの教会に赴住した。

そしてその翌々年のｌ９５５年、歴史に残る黒人運動の第一歩となる上記「バス・ボイコット」事件が、その町で起こった。モントゴメリーでのこの勝利は、長年差別に苦しめられてきた南部の黒人たちに、計り知れない勇気と希望を与えた。各地で黒人たちが立ち上がり、運動は南部全域に広がっていった。

その後、キング牧師は南部キリスト教指導者会議（ＳＣＬＣ〉を組織し、議長に推された。
こうして全国的に展開する公民権運動の先頭に立ったのである。
１９６３年、ワシントン仁結集した２５万人の前での、キング牧師の「私には夢がある」の演説は、
歴史に残る演説としても有名で、学校でも必ず教え、公民権とは何か、平等とは何かを考えさせる基本になっている。

しかもこの集会に集まった人の４分の１は白人だったというから、
彼の運動がいかに幅広い支待を得ていたかわかるだろう。
この年はまたケネディ大統領が暗殺された年でもあったが、
翌年ついに黒人の投票権を認める公民権法が成立。

非暴力主義を貫いて、平等を達成した運動の措導者として、キング牧師はノーベル平和賞を受賞。彼は自分一人の力ではないと、賞金のほとんどを、運動の諸団体に寄附した。
しかし黒人と平等になることを嫌う狂信的な白人もいた。
彼らは必死になってキング牧師らの活動を妨害しようとした。

ｌ９６８年４月４目、（注）テネシー州のメンフィスの清掃組合のストライキの応援にきたキング牧師は、ホテルのテラスで彼らの一人が放った凶弾に倒れた。３９歳であった。

それから１５年たって、アメリカはキング牧師の偉大な生涯そしてアメリカに正義をもたらした功績を称え、キング牧師の誕生日（１月１５日）を記念して、１月の第３月曜日を国民の祝日にすることに決定した。

また、牧師が亡くなった説にはもうひとつの説がある。
テネシー州メンフィスの清掃組合のストライキの応援に来たキング牧師は、
宿泊先のホテルで暗殺者アール・レイまたは（ジェームズ・レイとも言う）の放った
ライフル銃弾で射殺されたというものだ。

アール・レイは単独犯ではなく、彼の背後にはＣＩＡがいたと言われている。
キング牧師は最晩年にアメリカ合衆国の国策であったベトナム戦争を批判したために、
ジョンソン大統領以下の政権幹部から目の敵にされており、政府・右翼・軍・情報機関（ＣＩＡ）が結託して、キング牧師暗殺を謀ったとする見方が今では有力である。