2012年4月9日月曜日

■Bobby ボビー|ツボヤキ日記★TSUBOYAKI DIARY



■Bobby ボビー(原題)

●エミリオ・エステベスが脚本、監督を手がける「ボビー」…出来の如何を問わず、ある世代は見たいという欲求に駆り立てられるかもしれない。「ボビー」とは、故Robert Francis "Bobby" Kennedy、ロバート・F・ケネディの愛称だった。
上院議員として暗殺された兄、ジョン・F・ケネディの後を継ぐもの、時期大統領候補として、民主側にいた一般大衆のほとんどが疑うことがなかったその存在。そのボビーが兄に続き、暗殺されたのは、1968年6月6日。
場所は、ロサンゼルスのアンバサダーホテル。

物語は、あの日、あの時、ボビーが殺された時、アンバサダー・ホテルに居合わせた22人に視点を当てて、彼の死に直面した人々がその時にどう影響されたのか、といった場面展開になるようだ。


有名人の誰が2012年12月17日に33歳になりますか?
キャストは、ホテル退職後もドアボーイの重鎮だったと思われるジョン・ケーシー役にアンソニー・ホプキンス。ベトナム戦争で前線に送られる運命にあるボーイフレンドをなんとか回避させる手はないものかと思いを巡らすダイアンにリンジー・ローハン。エミリオ・エステベス扮するティム・ファロンは、デミ・ムーア扮するかつての婚約者と共に、忘れ去られようとしている芸能人、うらぶれたスターを演じるのかも。
ホテルのシェフ、エドワード・ロビンソンにローレンス・フィッシュバーン。バスの運転手ホセには躍進中のフレディ・ロドリゲス…22人を全部書いてられないな~おおっと、エミリオのパパ、マーティン・シーンも登場。ジョシュア・ジャクソンはロバート・ケネディの選挙戦陣営で燃える(かな?)ボランティアの若者。ハリー・ブラッドフォードはどうやらアンソニーが演じるドアボーイと旧知の仲のネルソン役。他にも芸達者ウイリアム・H・メイシー、ヘレン・ハント、シャロン・ストーン、なんとハリー・ベラフォンテまで!…出るもんです。で、ベトナム前線へ送り出される様子のウィリアム役に、昨今ぐぐっと存在感が増したイライジャ・ウッド。
では、ロバート・F・ケネディはといえば、Trailerを見ると一目瞭然、当時の実写フィルムとなる。


ジョンとケイトgosselinはどこに住んでいますか?
この実写フィルムは明らかに、映画のシーンと質感が違う。映画「グッドナイト&グッドラック」で用いられた実写の扱い方とは違う。
ドキュメンタリーではないからこそ、この辺りは気になる。もっとも、なぜエミリオがこれを撮りたかったのかは不明。撮らねばならなかった、というわけがあるのか。彼自身が、あの事件は20世紀の重大な出来事だった、と語っているらしい。…確かにあの時期に、兄の後継者がいなくなったことでケネディ家のみならず、アメリカの行方は大きく変わったことは否めないだろう。因縁めいたことには疎い我でも、それは、ジョン・F・ケネディJrの死亡にまで及ぶような気もするのだから、アメリカ在住のリベラリストの息子であれば、敏感に感じ取った事実としても不思議はないが…。

では、エミリオが焦点を当てたボビーこと、ロバート・F・ケネディはどんな人物だったか。
ケネディ政権中、弟ロバートは重要な役割を担った。組織犯罪の撲滅、大労働組合などでの不正の徹底追求に始まり、1961年のキューバ、ピッグズ湾事件。その後のキューバ危機、ベトナム戦争、公民権運動…。
しかし、兄ジョン・F・ケネディがダラスで暗殺。この後、ロバートはニューヨーク州上院議員選への出馬のため内閣辞任。
1964年11月に上院議員選出。彼は貧困の撲滅、黒人問題、人種問題に取り組み、貧困層やアフリカ系アメリカ人などからの支持を得たという。また、上院議員在任中、ケネディ政権下とは一転して、ベトナム戦争の段階的拡大停止を主張。さらに今、息子に受け継がれている環境問題の発端になったハドソン川の浄化をはじめとする諸問題に積極的に取り組む。


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1968年、ロバートはベトナムからの即時撤退を主張して、同年3月16日に大統領選出馬を表明。
その翌月、4月4日、マーティン・ルーサー・キングJr.牧師暗殺。
この時、側近はもとより、警察側の警告を制止し、ロバートはインディアナ州インディアナポリスの黒人街で独自の演説を敢行。
そこで彼は人種間の協調、和解を訴える。その真摯なスタンス、オリジナリティ溢れるスピーチに一発触発状態だった聴衆は耳をそばだてたという。
キング牧師暗殺後、黒人達の怒りは頂点に達し、全米各地で暴動が勃発。その時、ここインディアナポリスの街は穏やかを保ったという逸話があるそうだ。ケネディはキング牧師の葬列にも参加している。ちなみにキング牧師は宿泊していたモーテルのバルコニーで撃たれて死亡。享年39歳。ロバートの兄であるジョン・F・ケネディ大統領が暗殺された日、彼は妻に「私は40歳まで生きなれないだろうな」ともらしていたという。
さらにロバートは、メキシコ移民のキング牧師とも称されたシーザー・チャベスとの交流、移民問題への取り組みもあったのだという。

やがて1968年6月。ロバートは、選挙戦を左右する最大州カリフォルニアで予備選に勝利。が、その直後の5日に事件は起きた。
ロバートは、ロサンゼルスのアンバサダー・ホテルで銃撃を受け、翌6日死亡。享年42歳。

ロバートの葬儀は、8日に行われたが、彼の遺体を運ぶ列車の沿線や通過する駅には大勢の人々が集まったという。
人種、年齢、男女を問わず、多くの人が彼の死を嘆き哀しむ光景が続いた、という。遺体は、アーリントン墓地の兄の墓のそばに埋葬された。

このロバート銃撃事件も兄の暗殺事件同様に謎ばかり。彼にも敵は多かった。労働組合の幹部からマフィア、人種問題にからむKKK等。また、ベトナム戦争促進派側にいた軍需企業、軍部、さらにCIAなどが彼を敵視していたのは確かなことだった。彼の死後…結果、共和党のニクソンが民主党ハンフリーをなんとも1%の得票差で破り、大統領に就任するのだ。


さて、ヴェネチアからトロントといった映画祭へ出品された映画「ボビー」だが、時をほぼ同じくして、ケネディ一族の一人がまた亡くなった。
ジョン・F・ケネディの妹であり、ロバートの姉で、母ローズ亡き後は、パットと呼ばれファミリーの母とも愛されたパトリシア・ケネディ・ローフォードが亡くなった。ジョンの選挙戦でも活躍した女性であり、ジョンの紹介からつきあった俳優故ピーター・ローフォード元妻だったパトリシア。弟ロバートの葬儀を見送る際のスナップが残されているが、ケネディ家の中で最もジョンやロバートに似た女性だった。9月17日逝去。

映画「ボビー」のアメリカ公開前に、こうやってロバートの過去を紐解いていけば、マーティ・シーンの息子であり、アメリカ人として育ったエミリオが彼にこだわるにもわけがありそうだ。人種問題、移民といった問題もこの映画に反映されているのかもしれない。ボビーが兄ジョンの配下であった当時か ら一転してベトナム反戦の意思表示をした辺りのニュアンスを受け持つのは、イライジャ・ウッドとリンジー・ローハンの模様。

この映画、実際にボビーが射殺された現場、アンバサダー・ホテルで撮影されているそうだが、映画「ボビー」は、当時の政治背景は底流にあるものの、ストレートな政治物語でない、だろう。映画監督としてエミリオが成功したか否かは…不安な要素が多々ありそうだ。

そこで予測すれば…エミリオは、敢えてボビー自身の姿を目に出来るニュースフィルムを入れ込んだのかもしれない。これは、あの時、そこにいた22人の物語。政治色より個人色の強い物語。22のエピソード、なのかもしれない。

さ、この映画のどこを見ればいいのかな…。ロバート・ケネディJr、彼は見たのだろうか。
父親と同じく、環境問題に取り組みながらホワイトハウスを遠ざけている感じがする彼。我は映画も見たいが、ロバート・ケネディJrがこのまま、ファミリーの一員として穏やかな生活を全するしかないのだろうか、ということの方が気にかかるのだが…。(2006年/製作国アメリカ/アメリカ公開2006年11月/日本公開未定)



▲Robert Francis "Bobby" Kennedy memorial


▲Trailer


▲Clip


▲Official site

オフィシャルはまだ…?

●Directer&Screenwriter:Emilio Estevez エミリオ・エステベス
●Cast: Anthony Hopkins アンソニー・ホプキンス Demi Moore デミ・ムーア Sharon Stone シャロン・ストーン Lindsay Lohan リンジー・ローハン Elijah Wood イライジャ・ウッド William H. Macy ウイリアム・H・メイシー  Helen Hunt ヘレン・ハント Christian Slater クリスチャン・スレイター Heather Graham ヘザー・グラハム Laurence Fishburne ローレンス・フィッシュバーン Freddy Rodriguez フレディ・ロドリゲス Nick Cannon ニック・キャノン Emilio Estevez エミリオ・エステベス Martin Sheen マーティン・シーン Shia LaBeouf シア・ラ・ブーフ Jacob Vargas ジャコブ・ヴァーガス Brian Geraghty ブライアン・ジェラティ Joshua Jackson ジョシュア・ジャクソン Joy Bryant ジョー・ブライアント Svetlana Metkina スヴェトラーナ・メトキナ Kip Pardue キップ・パルデュー David Krumholtz デビッド・クルムホルツ Harry Belafonte ハリー・ベラフォンテ  Mary Elizabeth Winstead メアリー・エリザベス・ウィンステッド Ashton Kutcher アシュトン・カッチャー Jeridan Frye



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